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MoNoGaTaRi #10「魔法の索引」

この世界での個人の能力は、いかに「その本」を速くめくれるかで決まるといってよい。

この世界に生まれた子供には、一人につき一冊の「魔法の索引」が与えられ、その索引の中から項目を見つけだすことで魔法を発動させ、問題を解決する。

ある意味で平等だ。――能力の上限は索引の上限であり、それは皆同じ。
――だが、それは幻想だった。

ある有力者の起こした事件に「魔法の索引」に載っていない魔法が関与していることが判明した。その背景には、焼け出された現場に遺された索引に一般に持たれているものにはない項目が存在することが世間に明かされたからだ。――それは貴族のみが持つ索引。

平等な世界という約束はここに打ち崩された。


主人公は「魔法の索引」の製造をする「金糸省」にあっては変人である。

古来から変わらない製造法、インクの混合、印刷版、糸の綴じ、
それらの選びは「神秘」とされ、伝承通りに成すことで魔法を生む様は「奇跡」と称される。

主人公の興味は、魔法の原理そのものであったことから物語は始まる。

索引の材料を組み合わせては実験を試みていた主人公は、ついに小さな魔法を生じる。
組み合わせパターンの規則性はやがて形を結びはじめる。

主人公は、ある事件を解けることに気付く。

そして貴族の間に存在する闇と、社会の在り方を問う動きの流れに巻き込まれてゆく…。

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