主人公の目的は宝探しである。
主人公の手に持ったランプが光を投げかけると、
暗闇の世界に、石造りの柱を規則的に立ち並ばせる。
光が当たれば、影もできる。
予想外に美しい影を主人公は見る。
グラデーションを持った重なりがそれぞれ古びた燭台を表し、
ワインの色を透かしてのせる。
見たいものが、影で見えないならば自分で動かなくてはならないだろう。
なぜならここには、主人公の持つ灯りしか存在しないのだから。
しかし影にばかり注目してもいられない。
光の当たらないものは動きだす。
人に見られない場所で生きている。
人に見られないならどんな形にもなるし、どんな場所にも行ける。
それはこの迷宮に棲む「妖精」
「妖精」がどんな姿をしているか、主人公は知らない。
だが、言うことを聞いてくれることは知っている。
見なくてもわかる。
もし行く手を遮る障害物があったなら、後ろを向いて光を隠せばいい。
再び振り向いたときには「妖精」がその障害を取り除いている。
望んだ通りに変わっている。
とうに機能を失っていたはずの石扉は開き、より深くへと。
主人公の求める方へと。
主人公は宝を探している。
主人公は知ろうとしない。
見ようとすれば見えるのに、見えているはずなのに、見ようとしない。
なぜそこまで無視するのか。
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…を。
(…はご自由に)
例:父親、母親、兄弟、友人
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#Another End***************
それは一目で見れば、人間である。
二目で見れば、影である。
だがそれが主人公の他の人間に見られることはない。
望めば宝が得られる。
それは「妖精」の約束。
妖精が生まれたのが先か、
主人公が迷宮に足を踏み入れたのが先か、
それを知るものは、この世界には誰もいない。
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