html

About    Concept    Works    Contact

MoNoGaTaRi #12「影に棲む妖精」

主人公の目的は宝探しである。

主人公の手に持ったランプが光を投げかけると、
暗闇の世界に、石造りの柱を規則的に立ち並ばせる。


光が当たれば、影もできる。

予想外に美しい影を主人公は見る。
グラデーションを持った重なりがそれぞれ古びた燭台を表し、
ワインの色を透かしてのせる。

見たいものが、影で見えないならば自分で動かなくてはならないだろう。
なぜならここには、主人公の持つ灯りしか存在しないのだから。


しかし影にばかり注目してもいられない。
光の当たらないものは動きだす。
人に見られない場所で生きている。
人に見られないならどんな形にもなるし、どんな場所にも行ける。

それはこの迷宮に棲む「妖精」


「妖精」がどんな姿をしているか、主人公は知らない。
だが、言うことを聞いてくれることは知っている。

見なくてもわかる。


もし行く手を遮る障害物があったなら、後ろを向いて光を隠せばいい。

再び振り向いたときには「妖精」がその障害を取り除いている。

望んだ通りに変わっている。

とうに機能を失っていたはずの石扉は開き、より深くへと。
主人公の求める方へと。


主人公は宝を探している。

主人公は知ろうとしない。

見ようとすれば見えるのに、見えているはずなのに、見ようとしない。

なぜそこまで無視するのか。

***************
…を。


(…はご自由に)
例:父親、母親、兄弟、友人

******************************
******************************



#Another End***************

それは一目で見れば、人間である。
二目で見れば、影である。
だがそれが主人公の他の人間に見られることはない。

望めば宝が得られる。
それは「妖精」の約束。

妖精が生まれたのが先か、
主人公が迷宮に足を踏み入れたのが先か、
それを知るものは、この世界には誰もいない。

0 件のコメント:

コメントを投稿