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MoNoGaTaRi #8「小さな目的の世界」

すべてのことにマイルストーンが置かれるがごとく、
その世界には用意された道しるべがある。
どことなく皆が高揚したようで、
その高揚感に気付いていないのか、一点を見つめて生きている。

部屋から外を眺めれば、立ち並ぶ円柱が見える。
その一つひとつが場所に関する道しるべ。

そして、眼鏡に仕込まれた端末を起動することで現れるのは、箱状の道しるべ。
これは、日々やるべきこととそれに対する方法が書かれている。

数ある道しるべの中から自分に合ったものを見つけるだけでなく、
より正しい方法を提供することで道しるべを書き換えることができる。


主人公は道しるべを壊すことに日々の楽しみを持っている。
論理的に正しくない道しるべを選別し、書き換える。
時にはもっと小さな道しるべを置いて、そこへ群がる人々を見ては喜んでいる。
それは主人公の欲求を満足させた。


だがある日、主人公は、自分の置いた道しるべが書き換わっているのに気付く。
「道しるべを壊すこと」を壊される形での変更。
書き換えられた道しるべは、人を飲み込んで出られなくするブラックホールを思わせた。

それは簡単な方法で、ただちょっとミスしやすい方法に書き換えるだけで、
その道しるべへ向かった人が再起不能な状態に陥ってしまうのだ。

次々と、自分の道しるべによって犠牲者が増えていく。

このままでは自分の置く道しるべに欠陥があると思われるのは必至のこと。

主人公は、書き換えられても成立する道しるべの探求をはじめる…。

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